平成17年11月13日、早稲田大学第二体育館にて第58回慶早対抗体操競技定期戦が行われた。フロアにて両校應援指導部によるエール交換、そしてチアによるパフォーマンスで華々しく大会は始まった。


慶應は床からスタート。勢いをつけたい最初の種目だったが、普段タンブリングで練習しフロアに若干不慣れな慶應はラインオーバーを連発してしまう。しかしそんな中でも2年遠藤正輝が「狙っていった」という言葉通りに、すべての宙返りで着地を止め存在感を放った。

次の鞍馬では、4年副将の佐藤浩一郎が登場し、肩に爆弾を抱
えながらもリハビリと練習に励んで来た成果を存分に発揮した
。技数は少ないものの丁寧な演技は審判に好印象を与え、終わ
ってみればチーム2位という得点であった。早稲田の鞍馬は慶
應が練習しているものより馬体がわずかに長く、慶應の選手は
伏臥やシュテクリBで馬端に当たり落下するシーンが目立った
。
続く吊り輪は、ミスの少ない種目ということもあり、チームと
して納得のいく演技を見せることができた。3年の諸田博昭は
独自の美しい体線と前振りあがり十字などの力技を披露し、強
く美しい体操を見せつけた。同じく3年の、吊り輪を得意とす
る明石大は鞍馬での鬱憤を晴らすように蹴上がり中水平、ピネ
ダで力強さをアピールした。

試合も後半に入り、4種目めの跳馬では器械体操部主将、4年
田中雄介が出場した。トランポリンの選手ながら、時折跳馬を
跳ぶ姿が監督の目に留まり今回の出場が実現した。まずは4年
の藤岡聖陽が着地をとめると、4年木村了もツカハラを決めチ
ームを盛り上げる。そして田中が伸身ツカハラを会心の出来で
決めると、会場の興奮は最高潮に達した。田中に気合を入れら
れた明石も直後に伸身ツカハラを成功させ、チームを更に盛り
上げた。

平行棒では、一年生では唯一の出場となる大橋志行が演技を見
せた。振りあがりカットなど光るものも見せたが、静止が少な
く落ち着かない演技となってしまった。しかし、この経験は彼
に更なる成長をもたらすであろう。この日の平行棒では4年生
の活躍が目立った。高橋剛は車輪をはじめとする技の一つ一つ
を淀みなくつなげ、着地後には思わず例のガッツポーズが飛び
出した。木村もメリハリのある丁寧な”木村らしい”演技を見
せ、後方宙返り半捻りの着地でやや乱れたもののそれ以外は完
璧といえる内容であった。

最後の種目、鉄棒ではこの日3種に出場した藤岡がダブルを決
め、一日を通じて大きなミスの無い落ち着いた演技で最後の慶
早戦を終えた。高橋は一回ひねりで落下してしまうが、再度チ
ャレンジして成功させるというドラマチックな演技を見せた。
また、木村は翻転、一回ひねり、ダブルとすべての技を成功さ
せ平行棒に引き続き安定した演技を見せた。明石は直前のアッ
プで失敗していたエンドーを本番で成功させ、喜びを爆発させ
た。続く遠藤も閉脚エンドー、開脚エンドーを決めると降り技
のダブルの着地まで止め、跳馬を除く5種を通じての美しい体
操は早稲田大学のOB方も一目を置くほどであった。最後の演技
者、2年千村将はこの日なかなか本来の調子が出ず苦しんでい
たが、ギンガー懸垂を紙一重で成功させ、会場を沸かせた。そ
の後プロテクターが外れかけるというアクシデントもあったが
、なんと逆車中にそれを直し最後の伸身ダブルを成功させた。
試合結果は残念ながら早稲田の圧勝であったが、慶應は終始気
合の入った演技を見せ、精神面ではけして早稲田にも引けをと
らないことを証明した。
今後は今回の試合で部員それぞれに見えた課題を克服し、また
、間近で見ることができたトップクラスの選手の技を盗みしも
つき杯、更には来年以降に活かすことが重要になる。

最後になりましたが、応援、ご観戦いただいた先生方、先輩方
、そして應援指導部の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申
し上げます。ありがとうございました。
(記:法・政2年 池田 真輔)