例えば忘年会。今回の幹事はあなたです。幹事になったあなたがする最初の仕事は……、そう“日程調整”です。

宴会のマネージメント?

“宴会”と言われてもパッとしないと思います。「複数人で行うミーティングの日程を設定する」でも同様のプロセスが必要になると思います。

日程調整

一人一人ばらばらの意見を集約し、再び全体へ報告するのは非常に手間がかかります。仮に日程が決まっていたとしても、参加・不参加を募る必要はあります。

これをメールだけで行おうとすると、以下の問題に当たってしまいます。

  1. 受け取った返信が、他のメールに埋まってしまう
  2. 「メールスレッドを活用すれば問題なし」と思っていても、最近の学生はメールスレッドという概念を知らない

返信を忘れる人がいる

一番手間がかかるのは返信をしてこない人。この人に督促をするのにもエネルギーが必要です。一人ならまだしも、複数人居ると……。

ウェブサービスにも問題

これらの問題を解決する一つの手法に、ウェブサービスの利用が考えられます。しかし、ウェブサービスにも問題があります。

  1. メールクライアントとブラウザを別々にしていると、ブラウザへの遷移を強制される
  2. 名前やパスワードを設定しなければならない
  3. 入力するのが面倒なので、後回しにする
  4. 回答を忘れる

通知がメールなら、返事もメール

全体への告知は、たいていメーリングリストなどメールを用いて行われます。それなのに返事はウェブサービスというのは不自然。メールで返信した方が自然な行為だと思いませんか?

トータルに幹事をサポートする

幹事の立場を整理をしてみますと、以下のようになります。

  1. 返信をまとめるのに手間がかかる
  2. 返信を貰っていない人への督促は面倒くさい (だから誘わない)
  3. 宴会前にリマインダを投げ忘れる

ここで BOSS を使うと、以下のように改善されます。

  1. 返信を自動的に集計してくれる
  2. 返信期日が近くなると、返信をしていない人への督促を自動的にしてくれる
  3. 宴会前日などにリマインダを自動的に送信してくれる

実行例

今回は宴会ではなく、アンケートの集計システムとして利用をしてみます。

新規アンケート作成

まずは新しくアンケートを作成してみます。

Subject: 今回のORFについてのアンケート
From: Ryosuke SEKIDO <sekido@tom.sfc.keio.ac.jp>
To: BOSS System <boss@tom.sfc.keio.ac.jp>

アンケートを新規作成

送信先は orf-all-visitor@ml.example.jp

このORFは良い発表機会だと思いますか?
- とても良い
- どちらかといえば良い
- どちらかといえば悪い
- とても悪い

このメールは BOSS を経由して orf-all-visitor@ml.example.jp へ次のように送信されます。

Subject: 今回のORFについてのアンケート
From: Ryosuke SEKIDO <sekido@tom.sfc.keio.ac.jp>
To: orf-all-visitor@ml.example.jp

新しいアンケートが届きました。

このORFは良い発表機会だと思いますか?
1.とても良い
2.どちらかといえば良い
3.どちらかといえば悪い
4.とても悪い

行頭に - のある行を選択肢として識別します。

アンケートに回答

受信者が回答するには、受信したアンケートメールへ返信をします。返信を作ろうとすると、大抵は元のメールが引用され以下の形になります。

Subject: Re: 今回のORFについてのアンケート
From: orf-one-visitor@example.jp
To: BOSS System <boss@tom.sfc.keio.ac.jp>

On 2007-11-20 15:30, BOSS system is wrote:
> 新しいアンケートが届きました。
> 
> このORFは良い発表機会だと思いますか?
> 1.とても良い
> 2.どちらかといえば良い
> 3.どちらかといえば悪い
> 4.とても悪い

ここでは 1 を選択します。さらにコメントとして、「萩野・服部研究室が特に興味深かった」とつけています。

Subject: Re: 今回のORFについてのアンケート
From: orf-one-visitor@example.jp
To: BOSS System <boss@tom.sfc.keio.ac.jp>

アンケートに返信

On 2007-11-20 15:30, BOSS system is wrote:
> 1.とても良い

萩野・服部研究室が特に興味深かった

アンケートの集計

期日が来たとき、または「集計」と書いたメールを送ると以下のメールが送られてきます。

Subject: Re: 今回のORFについてのアンケート
From: BOSS System <boss@tom.sfc.keio.ac.jp>
To: Ryosuke SEKIDO <sekido@tom.sfc.keio.ac.jp>

BOSSです。

投票結果を集計しました。

A) とても良い

1. 萩野・服部研究室が特に興味深かった
2. いろいろな研究が出展されていて良かった

B) どちらかといえば良い

1. もうすこしインパクトのあるものを

投票の無かった項目 (この場合は“どちらかといえば悪い”と“とても悪い”) は表示されません。

技術解説

メールサーバとの関係

BOSS ではメールを配信しません。これを実装しようとすると、これだけでものすごいコストがかかってしまうからです。

そこで BOSS へ送られたメールのローカル配信をトリガとして、メールサーバから BOSS のプロセスを立ち上げるようにしています。具体的には .qmail を用いています。

|preline /home/sekido/boss/bin/boss.rb

BOSS で処理されたメールは、sendmail コマンドを経由して配送されます。

メール処理プロセス

BOSS へ送るメールの一行目は決まっていて、特定の文字列 (コマンド) を含まなければなりません。例えば、新規アンケートの作成には“新規”を、集計結果を取得するには“結果”を、それぞれ含む必要があります。

初期の目標では、幹事だけでなく回答者にも負担をかけないシステムを制作することでした。そのためコマンドを含まずに処理させることが目標でしたが、現状ではコマンドを含まなければ処理が出来ません。

返信だけで BOSS が返信している宴会を識別できるのは、メールヘッダの References フィールドを参照しているからです。

未実装機能

  • コマンドを使わずに処理
  • 複数設問・複数回答を可能に
  • 多数決ではなく重要人物を優先して日程を決定
  • “あの人が来るなら参加したくない”という意見を反映して日程を決定